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真夜中のソウルノート


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久しぶりにSOULNOTEセットの話。

しばらく書かなかったが、出張が無く自宅に帰る日は毎晩聴いている。
プリとして使っている「sa1.0」を最初に手に入れてから早数年。
今は旧型になった「CM5」ともども十分なエージング期間を経ているので、
実にみっちりと心地よい音を奏でてくれている。
まるで機器が透明になって音楽だけが聴こえてくるよう。

セッティングに関して言うと、今の状態は今までで二番目に良い音。
一番だったときは付属の電源ケーブルで、Audirvanaが前バージョンで、
スピーカーケーブルがヴァン・デン・ハル「The Clearwater」。
弾けるような躍動感と生々しい空気感が最も充実した音。

電源ケーブルを「ACC180」に変えたら、全体的に音が繊細にほぐれたが、
Audirvanaを最新バージョンにした途端、解像感が高すぎるというか
高音がキンキンと急激に変化して閉口してしまった。
元に戻すことを考えたが、Audirvanaの動作が九割方安定したので、
ここは固定することにする。なにせもう殆ど固まらないで動き続けている。

他でどうにかとスピーカーケーブルを余っていた「REAL CABLE」に変えたら
躍動感と空気感が後退した代わりに、今度は滑らかさと柔らかさが出た。
この今の音が気持ちよくて、夜聴くとすぐに眠くなってしまう。
深夜でも「sa1.0」のボリュームを1クリックでも右に回していれば、
ピアノトリオや女性ヴォーカルなんかが特に良い。
集合住宅に住む自分にとって、真に実用性の高い特徴だと思う。

音色の良し悪しは聴く人の好みだから、評価は様々に分かれて当然。
ただ自分がSOULNOTEを何年か使い込んでしみじみ分かるのは、
演奏が生き生きと生々しく聴こえてくること。
なんだかメーカーコンセプトそのままだが、これは本当にそうだと思える。

あと、メーカー純正のケーブルラインナップが充実している。
当たり前だが、すべての機器との相性もすこぶる良い。
結果、アクセサリーにお金を使いすぎなくて済むのだが、
オーディオ探究的に言うと少し寂しく、この辺りは他のシステムで満たすつもり。
何せSOULNOTE機器間のケーブルを社外品に変えて良くなった試しがない。

モーツァルトとアキュフェーズのセットを手にしたけど、
依然として大切なメインのオーディオシステム。
鳴らし込んできたからこそ手にした、今の音が気に入っている。


by higemegaongaku | 2014-11-30 09:37 | SOULNOTE

凄いスピーカー

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昨年の夏、「SOULNOTEへご招待!」というイベントに参加した。

熱心なファンの方なら「そういうのあったね」という感じだろうが、
SOULNOTEとFundamentalの最新・最強システムを本社の試聴室で聴けるというあれだ。
暑い日に坂道を上って辿り着いたのは、明るくきれいなイメージの戸建住宅。
「一軒家とは聞いてたけど、ほんとだなぁ」とインターフォンを押すと、
ドアを開けてくれたのが、まさに鈴木社長その人。

電話では数回お話していたが、やはり本人を前にすると緊張する。
早めに着いたつもりだったが、他の参加者の方はすでにリビングに着席されて自分は最後。
あまりの空気の固さに、仕事のプレゼンより高まった緊張感。
あんなにギクシャクした自己紹介は、小学校時代の転校以来か。。

鈴木社長の話が始まると、少しずつ空気は和んだものへ。
何せ、この日はSOULNOTEファンが、聖地を訪れて最高の音を聞けるんだから目的は一つ。
お会いする前は、寡黙な職人、真剣勝負の侍という勝手なイメージを持っていたが、
鈴木社長は明るくフランクな方で、話も分かりやすく面白い。
自分と同じくタバコを吸われるので、灰皿のある玄関先でも色々な話が聞けた。

「本当に熱意を持って、製品開発されてんだなぁ」
音を聞く前の実感がこれ、お話を聞いていると性能と製造コストのバランスなら
明らかに性能にウェイトをかけている、またどうしてもかけてしまうのがありありと伝わってくる。
自分の会社はメーカーではないが、仕事に値段を付ける難しさという意味で、
変な共感を持って聞いていたのが昨日のように思い出される。
自分が情熱をもって仕事してきたように、先輩(鈴木社長)も人生をそうやって
歩いて来られたんだなぁと、このブランドに対する信頼感が深まった。

コンセプトや価格を含めたSOULNOTE製品とFundamental製品の違い。
過去の製品への想いと、現在考えられていること、などなど、興味深い話を聞けたリビングから、
主にFundamental製品を開発・製造されている製作室へとステージが移動。
機器の中身がさっぱりの自分は、パーツの凄さが「??」で申し訳無かったが、
この部屋で調整し、隣の部屋で試聴して検証するという地道な開発や製造作業を
まさに鈴木社長ご自身が、こつこつとされていることに対して感激した。
誰よりも製品を愛する人が、細部までこだわり抜いてつくるオーディオ。
試聴への期待はいやが上にも高まっていた。

試聴室は自分の寝室と同じぐらいの広さだった。
各機器は、トランスポートからスピーカーまで、まさに最強の布陣が並んでいる。
「これか!」最初に目が行ったのは、Fundamentalの誇るプリアンプ「LA10」。
金額的な面からも、こいういう機会でないと見ることさえかなわない代物。
試聴会は鈴木社長のセレクトしたCDから始まる。

上原ひろみさんのアルバム「MOVE」からの一曲目、
室内に雷(いかづち)が降りたかのようなエネルギー感。
本当かどうか知らないが、世の中にはチック派とキース派が居ると聞いたことがある。
少し難解なチック・コリアに対して美旋律なキース・ジャレットということか??
明らかにキース派の自分にとって、上原ひろみさんは聞かないアーティストなのだが、
この音の説得力には、かぶってない帽子も脱がざるを得ない。

その後の曲順は忘れたが、もう一曲印象深かったのが矢野顕子さんのライブ音源で、
曲が始まる前から会場の空気が、実際の空気のように室内に溢れ出てくる。
これはかつてオーディオショップで聞いた「ss1.0」と同じ類いの現象だ。
歌声やピアノの音、ときにペダルを踏む音さえ生々しく息をのむようである。

鈴木社長セレクトが終わると今度は、我々が用意したCDを聞かせてもらえる番である。
他の参加者の方の曲は、ハードな印象のフュージョン・ファンク(?)。
かなり音数も多く、みっちりした構成の曲に思えたが、
上原ひろみさん同様に、迫力とクリアネスが調和したダイナミックな音が押しよせてくる。
ギターやキーボードのソロパートでは、一転して浮遊感さえ感じる音の軽い広がりにも驚かされる。
自分の前の順番の方は、ご自身の曲をかけ終わった後あまりの音の良さに落涙されていた。

いよいよ期待も最高潮に達した自分の番。
持って来たCDは、スールヴァイグ・シュレッタイエルが様々な曲をカバーしたアルバム
「Antologie」からの一曲目「Wild Horses」。
静かなピアノとともに、彼女の歌声がゆったりと響く実に美しい曲である。
何度も聴き込んでいるつもりだったが、北欧の風景が眼前に広がる様に魂が奪われる。
行ったことはないが、あまりの美しさに自分も涙が一粒出そうだった。

試聴後に「どうしました?」と鈴木社長に聞かれたが、「え、えぇ」と応えるのが精一杯。
ぼーっと放心しているので、頭の中には何もないのだ。
あの音は、何なんだろう。アンプ? スピーカー? 何の理由でああいう風に鳴るんだろう?
「総合的な理由によるので、一概に言えない。。」
鈴木さんに問うた答えを聞いて「そりゃそうだ」と思いつつ、
楽しい気分で帰るはずだった試聴会場をぼんやりしながら後にした。

トランスポートやプリなど機種こそ違うが、今のシステムはスピーカーを除きオールSOULNOTE。
「Wild Horses」をかけると素晴らしい音で鳴ってはくれるが、あの空気と景色は感じとれない。
最大の理由は、スピーカーの「Fundamental RM10」だと思っている。
ブックシェルフなのに「25Hz」を達成する低音の沈み込みや、弾けるような高・中音の表情。
分厚い金属のバッフルや、丁寧に説明を受けたコンデンサの調整など仕組みの数々。

裏付けあっての音なのだろうが、数値や材質、見た目や金額がどうこうよりも
とにかく「凄い音」というのが率直な感想。自分としては最終回答を早く知りすぎた感じ。
DYNAUDIOやMonitorAudio、AVALONなど聞いたことのないブランドはまだまだ沢山あるが、
あの音は、今までショップで試聴機会のあったJBL EVERESTやFRANCO SERBLINのAccord、
オーディオショーで聞いた名だたるブランドのスピーカーでも聞けなかった。

自分の好きなブランドの製品ゆえ、そういうバイアスはかかっているかもしれない。
オーディオ経験豊かな人が、「RM10」の音を聞いたらどう思うのか非常に興味がある。
自分が買うとしたら、最初に衝撃を受けた「ss1.0」とどっちが良いのか悩むだろうなぁ。



by higemegaongaku | 2014-01-09 18:44 | SOULNOTE